2019年11月28日に開催されたイベント「5Gxスポーツテック:ゴルフ編 -ゴルフとテクノロジーの現在-」。各セッションの概要をご紹介いたします。

ゴルフスポーツへの思いと期待する未来

- 登壇者の中馬にはゴルフの経験があり、ゴルフ人口の減少を憂いて「5Gとゴルフとを掛け合わせて何かできないか」という思いから今回のイベントを企画。課題、各々が考えていること、解決アイディアを議論し交流を図りたい
- ゴルフそのものやゴルフにまつわるテクノロジーおよび課題について、様々な人に知ってもらうべく、パートナーを探して連携したい
- 見る側・プレイする側を問わず、老若男女に対して「スポーツ」を広め、スポーツ人口を増やしたい
ゴルフ場業界におけるインバウンドサービスとは

- ゴルフ場業界の課題として、国内利用客の1. 若い世代のゴルフ場離れ、2. 中年層以上の年間ラウンド回数の減少、3. 高年齢層の離脱、が挙げられ、資金の不足や家庭環境の変化による平日・土日のラウンド総数の減少がみられる。ゴルフ場の魅力向上や、来場・ラウンドしやすい環境や仕組みづくりが急務である
- 一方、海外からの訪日客は10年前の4倍にも増えており、ゴルフ場の利用者数もそれに比例している。国内利用客と比較して高単価であり、平日や閑散期への利用誘導も可能である
- ゴルフ場、練習場、ゴルフ用品販売に共通するインバウンド向けの課題として、言語対応やニーズへの対応、アピールが十分でなく、機会を逃しているといった状況がある
- ゴルフ場業界におけるデジタルマーケティングは手付かずであり、5Gテクノロジーに関しては活用法を検討する段階にも及んでいない。専門家の力を借り、アイディアを共有しながら課題の解決にチャレンジしていきたい
スポーツゲームのモーションデザイン ~3DCG 制作技術の応用可能性~

- 株式会社デジタル・フロンティアはCG・デジタルアニメーション技術を駆使する総合映像プロダクションであり、スポーツ系コンテンツの制作実績としてゲームやトレーニングツール制作などがある。キャプチャスーツを使ったリアルな動きの再現が可能である
- ゴルフに関してはかつてモーションキャプチャを制作したことはないが、映像表現で培った技術力・設備を応用して、ゴルフの上達をサポートするツールの開発も可能と考えている
- グループ会社には、国内のパーソナル・トレーニングジムの先駆けとなったTOTALWorkOutがある。全米プロゴルフ協会(PGA)のデータを利用した効率的な練習プログラムが用意されており、3Dモーションセンサーを利用した動作分析、トラックマンを用いたフォーム解析やPGA選手との比較ができる
- 3DCG技術とパーソナルトレーニングジムの組み合わせで、ゴルフ業界やプレーヤーのサポートができると考えている
5G時代のゴルフビジネス協創に向けた取組み-さまざまなパートナーと創る未来-

- docomoでは、5GやIoT技術に関連する新たなビジネスの創出を企業や行政と共に進める取り組みを行っている
- 「5G×ゴルフ」というテーマで取り組んだ実証実験として、カヌチャベイリゾートで行ったドラコン情報のリアルタイム配信や、遠隔でプロからアドバイスをもらう遠隔レッスンを行っており、新しいゴルフの楽しみ方が広がったと言える
- 他にも、日本プロゴルフ協会(PGA)とdocomoでPGAメソッドを用いた遠隔レッスンの実験を行っている。体の各部位の角度や動きをAIで自動判定した結果のデータやスイングしている動画データを5Gのネットワークでティーチングプロに送信してレッスンを試みている
- 人の動きをVR空間のアバター(分身)やロボットなどの機器に、あるいはアバターの仮想の感覚を人に、更には人の動きを人に伝達する「BodySharing(ボディシェアリング)」の技術と5Gを組み合わせて、ゴルフにも応用できないかと考えている