2019年5月29日に開催されたイベント「5G×リテールテック:黒船AmazonGO来る」。各セッションの動画を概要と共にご紹介いたします。
5Gイノベーションとは?
- 今年9月からプレサービスが開始する5Gについて、実際のユースケースについて各領域の専門家にお話しいただき、その声を拾うことを目的にしている
- ドコモ5Gクラウドを利用したユースケースの実験を募集している
サービス化するリテールビジネス
- リテール業界はテクノロジーの影響を受けて変革期を迎えており、日本の市場はこのままだと負けてしまうと警鐘が鳴らされている。しかし、どのように対応するかという方向性が定まっておらず、なかなか先に進んでいない。
- 国外でうまくいっている事業をそのまま移植すれば良いかというとそういうわけでもなく、現に外資系企業で日本展開した企業で失敗しているところもある。
- リテールに限ったことではないが、産業の変革においては現場の付加価値が下がり、インフラとなるネットワークなどのテクノロジーの付加価値が上がる。より上流において、ユーザーに何を提供するかが重要な時代になっている。
- 5Gによってピンポイントに起こる変化というものはないが、こういったトレンドを加速するのではないかと予測する。テクノロジーによって「できるようになること」に対し、より速い対応が求められる。
5G時代のリテールビジネス
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NTTドコモ棚割Techの取り組み
- 棚割(メーカーが小売店に商品を卸すに当たって、どの商品をどの棚のどの位置に置くか)は重要なデータ資源である。メーカーでは棚割のデータ報告が行われており、「写真を撮ってデータを送る」というプロセスに画像認識を取り入れてデータ化する、という発想に至った。
- 海外にはすでに同様のサービスがあるがローカライズが必要であり、また画像認識エンジン自体は既存で競争が難しいため、商品データベースの管理のパッケージ化という形でNTTドコモで開発を行うこととなった。
- 棚割作成は、現状メーカーが「経験と勘」という「主観」に頼ったものになりがちであり、かつ全ての小売店において最適化するというのは不可能である。これを集積したデータに基づいてAIで自動化するという取り組みを行っている。
- 将来的には、棚割データ・商品画像認識・MagicLeapを利用して、また5Gの後押しも得て、AdTech / ビジネスに応用できないかと考えている。
5G×AIカメラで実現するAIストア(省力化店舗)
- OPTIMとモノタロウは、共同でモノタロウAIストアの実証実験を行っている。コンセプトは、「お客さんにとってストレスフリー」であること、「手にとって確かめて買う」ことができること、「お金を持たずに買い物」ができること、そして「時間・場所の制限のない店舗」。
- アプリのQRコードを読み取って入店→商品のバーコード読み取りでカートに追加→アプリで決済→退店、という仕組み。店内に設置したカメラで別店舗の店長が様子を把握する、「省力化店舗」(「無人店舗」ではなく)である。カメラは店内顧客のトレースと行動の紐付け監視も行なっており、セキュリティ面での仮説検証も行っているが、現状ロスはほとんど出ていない。
- 今後は決済のシームレス化や来客分析・解析による商品ライフサイクルマネジメントの高度化、セキュリティ向上などの進化を目指している。5Gが利用できれば、現状ではコスト問題で実現できない各店舗・クラウド上にエッジコンピューターを置き、店舗をさらに横展開していくなど、一層発展させていくことができると期待している。
- OPTIMの考える「省力化ストア」とは、各業界・業種の現場目線での労働不足等の問題の解決を目指し、「人がやらなくていいところ」にAIを利用して業務効率・利益率の向上を図るものである。
アフターデジタル時代のショッピングセンター
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