2020年7月2日にオンラインで開催されたイベント「5GI-Live#3:withコロナの新しい日常を考える」。本記事では、各セッションの概要をご紹介いたします。
大学の現場と小売の現場、2つの現場でのコロナ禍における課題と、それぞれがどのような対応を行ってきたかということをゲスト登壇者より共有いただきました。メインセッション後にはspatial.chatというオンラインコミュニケーションツールを使用し、登壇者・参加者の方々に自由に交流していただき、活発な情報交換や議論がなされたイベントとなりました。

大学の現場はコロナをどう乗り越えているか
小笠原 伸(おがさわら・しん) 白鴎大学 ビジネス開発研究所所長 / 白鴎大学 経営学部 教授
- 大学の現場がコロナをどう乗り越えているか、という話を通じて、コロナ禍における教育・学びに対しての気付きや在り方をお伝えしたい
- 大学ではラーニング・マネジメント・システム(LMS)を利用して授業及び課題提出などを行っており、また大学のSlackをコミュニケーションの場として学生に提供しているところもある。自身のゼミでは、Microsoft Teams上に会議室を複数作成し学生が自由に使用できるようにしたことによって、活動が活発化した
- 「知的な交流」の拠点を作ることによって、学びの可能性は広がる。このように学生自信が「自発的な学び」を得ることは、オフライン・オンライン関係なく我々のミッションであることに変わりはない
- 大学にはITに精通した人は多くなく、このような環境づくりはビジネスチャンスでもある。良い仕事、良い学び、良い場所とは何か、という「テレワーク」の先にあることを考える機会となっているのがコロナの機会。変わるものだけでなく、変わらない物は何かを見つめていくことが大切。
withコロナ時代のリテール戦略
唐笠 亮(からかさ りょう) 株式会社パルコ デジタルマーケティング コンサルティング一部 部長 / 株式会社パルコ デジタル・CRM支援チーム 部長 / 一般社団法人ジャパンイーコマースコンサルタント協会JECCICA 特別講師
- パルコを始めとしたショッピングセンター・百貨店のデジタルマーケティングサポートを行っているが、その経験を通じてリテール(ブランド・小売)がどのように考えていかなくてはならないのかをお伝えしたい
- 緊急事態宣言の解除に伴って店舗営業を再開した直後は、コロナ以前と比較して「目的をもたずに」ウィンドウショッピングを行うお客様は減少。この傾向は続くと見込まれる
- コロナ禍は、在宅消費と外消費のバランスが大きく変わり、消費することへの再選別・再定義が走った期間。オンラインの偏重の中、消費者が新たな購買体験・非購買体験をし、店舗にいかなくともECで十分、代替製品で十分、以前ほどの購買が不要と感じるといった経験をした
- 「買い物技術」の向上(ECの発展など)により、店舗に足を運ぶ必要性が大きく低下している近年において、上記の変化は以前より想定されていたもの。これからはOMO(online marges with offline)の時代。オフラインにおける行動をデータ化し、オンラインデータとマージする。デジタル・ITを駆使して顧客理解を深化させ、アプリをタッチポイントとしてパーソナライズされた商品・サービス・情報を提供するなど、お客様個人と繋がる時代となる